入社3年目で営業チームのリーダーとなった吹田。かねてより「リーダーになりたい」と手を挙げていた吹田は、自身の成果にとどまらず、周囲の成果に対しても貪欲に取り組んでいった。採用後の育成期間短縮や成果をあげるまでの仕組みづくりなど、ストイックに組織への貢献を積み重ねている。「なぜ頑張るかを考えたことはない。働いている以上、成果で返すのが当然」と語る吹田の情熱の行き先に迫る。
もっと成果をあげられる。
そう思えたから、「リーダーになりたい」と名乗りをあげました。
僕はちょっと自信過剰なところがありまして、誰よりも僕がリーダーにふさわしいと思っていたんですね。リーダーになった暁には、組織として必ず成果を上げられると思っていました。上司に「どうしたら僕はリーダーになれますか?」と聞き続けて、色々と取り組んできた結果、今は営業チームのリーダーを任せていただいています。
今でこそ自信に満ちあふれていますが、1年目の時は全くちがいました。成果を上げるまでに苦労して、初契約までに半年もかかっていたんです。当時は「新人が成果を出すまでに半年はかかるよね」というのが会社の共通認識でした。ただ、自分からすると、何も生み出していない時間がすごく嫌で。自分が会社の費用になっていると感じて、つらくて仕方なかった。早く成果をあげたい一心でとにかくロープレをやりまくったり、すぐに上司にレビュー*をもらいにいったり、シャカリキに頑張りました。
* FCEの文化の一つで、上司への相談を指す。自らの考えや提案を上司に聞いてもらい、フィードバックをもらう機会。

なんとか成果を出せるようになったのは、周囲の環境のおかげです。FCEの人たちは、頑張っている人を誰も見捨てないんですよ。上司は僕より絶対に忙しいのにもかかわらず「今日ちょっと時間ください」とか、「午後の商談、同席してくれませんか」といきなり言っても、絶対に時間を取っていただける環境はめちゃくちゃありがたかった。そのときに誰も頼れない状況だったら、今の僕の「リーダーになりたい!」と言える自信とか、成果を上げているという現状は、絶対になかったです。
「育成期間半年」の壁を越える。
成果までの道のりを3分の2に。
自分も苦しめられた「育成期間半年」という道のりをどうにか短縮できないか?
この命題に取り組んだことは、リーダーになる前の最もインパクトのある企てでした。新卒でも中途でも育成期間に差がないこともあり、まずは中途入社の方の育成に改善点があるのではないかと目をつけました。成果を出すまでの期間をできるだけ短くする。そう決めて、取り掛かりました。対象となる中途入社の方としても、半年間成果をあげられなくて苦しむ状況よりも、早く成果をあげられる仕組みを求めていると信じていたので、迷いはありませんでした。
仕組みをつくっていくときに大切にしたのは「やめられないか?」という視点です。研修は長年続けていくと、「あれもやろう、これもやろう」という風にどんどん長くなっていくので。思い切って要らないものを判断して、現場で影響があるか検証していったんです。結果、中途の方で実験的に改善した育成プログラムを試し、成果を上げるまでの期間を2ヶ月短縮することに成功しました。上司と毎週ミーティングをして、新卒への適応や、さらに1ヶ月短縮できないかなど、PDCAサイクルを今でも回し続けています。
「企て」の可能性は、チームが最大化してくれる。
念願のリーダーになってからは、やるべきことに対してチームで行動を起こせるので、一気に影響力の幅が広がりました。例えば、営業のリード*を獲得するためのイベントをチーム単位で企て、試してみてよかったらその内容を営業全体に発信。それ以外にも、小さな企ては日常茶飯事です。
* お客様からの問い合わせ数など、マーケティング施策によって創出された接点の数。
もう一つの大きな変化は、チームやメンバーのマネジメントをするようになったことです。マネジメントも、考え方は営業と一緒だと思っていて。営業では、お客さんの背景や思いを汲み取って提案する。その視点がマネジメントでも大事なのかなと。メンバーに一方的に「こうしたらいいでしょ」とアドバイスするのは簡単ですが、お客さんに「買った方がいいでしょ」とは言わないですよね。一方的に伝えるだけでは、良い成果はあがってこない。マネジメントとされる側もいろんな背景があってやってくれているので、背景も踏まえた上で提案をしていくことが大事なんじゃないでしょうか。

この前、お客さんと会食に行かせていただいたのですが、僕が初めて教育担当になった後輩が「めちゃくちゃ優秀だね」と褒めていただいたんです。それが、自分が褒められるより何倍も嬉しくて。僕が成果を上げるのは、会社にいる以上当たり前だと考えているんですけど、後輩が育っていって、認められるってこんなに嬉しいことなんだとはじめて思いましたね。
課題の本質から解決する。
DXや業務効率化のプロフェッショナルへ。
RPAのことなら、なんでもわかりますし、自信を持ってどんな疑問にもお答えできます。でも、本質的にお客様が悩んでいることに対してお応えするには、それだけではダメなんです。RPAがPC業務を代わりにやってくれるよ、というだけではなく、もっと広い意味合いでDXや業務効率化を推進していく必要があります。もっとお客様に提案できるものを増やしたい。その思いは、僕の周りのメンバーも同じでした。毎週持ち回りで議題を決めて「RPA以外の市場調査」だとか、「お客様からこういう悩みを聞いたときにどう対応すればいいのか」など、DXにまつわるミーティングをしています。ただの商品を売るための営業ではなく、お悩みの本質を解決できる、コンサルティング営業ができるようになっていきたい。それが今の目標です。

これは営業に限らず、あらゆる事象に対してなのですが、「これ、絶対こうしたほうがいい」という考えが勝手に浮かんでくるんです(笑)。基本的に全てその考えのもとに動いているので、3年後、5年後の目標というよりは、「もっとこうしたほうがいい」と思う自分の信念に従って、目の前のことに全力を尽くしながら、社内外を問わずこれからも企てまくるんだと思います。